センタースピーカー
センタースピーカー
このスピーカーも映画「サウダーヂ」のモニターのために作りました。 独立キャビネット、密閉型のスピーカーです。ユニットはメインがFostex FE103で、ウーファーはARTという良く知らないメーカーの最後の在庫特価880円という代物です。長年スピーカーと付き合っていると、見ただけでおおよそ音の見当が付きます。このシステムは十分モニターとして使えて、できればこの安物ウーファーに全部替えたいくらいの良品でした。箱のデザインは今までで一番不格好です。箱の容積はほしいけど、プロジェクタースクリーンからも机の上のモニターからも避ける位置にユニットがほしかったので、こんな形になりました。普通のベニア板を加工して、ラッカー塗装で仕上げました。アトリエは本来このあたりが専門なので、キャビネットはすぐに仕上がります。ネットワークはメインスピーカーとほぼ同じものを作りました。
2011年お正月制作
ボリューム
Volume

映画「サウダーヂ」のモニターのために作りました。 映画は3chが基本なんですね。台詞用のセンタースピーカーとプラス1チャンネルのサラウンド用に、このボリュームを使いました。 セレクターが余っていたので、秋葉で抵抗を購入、2011年のお正月に作りました。抵抗はもしかしたらウェブで買えるかもしれない、と思いましたが、100本単位でした。 あー、抵抗一本はやっぱり秋葉原に買いに行かなきゃいけないのか、と実は少し嬉しかったりするのでした。 オーディオ、と言えばケーブルや電源に気を使いますが、私はここが一番変わるような気がします。以前高いもの、安いものビシェーやらリケノームやら、いろいろな抵抗を試してみたのですが、個人的に好きだったのが多摩工業の1本10円の金属皮膜抵抗でした。今回あちこち探しましたが、完全にディスコン。今回はタクマンREYという抵抗を使いました。これは多摩工業の代わりになる音の良い抵抗だと思いました。そのうちバランスのボリュームを5chほど作りたいと思っています。
2011年お正月制作

レコーディング用1U-PC
レコーディング専用に場所のとらないパソコンがほいいなあ、と思っていたので作ってみました。 mini-ITXという企画のマザーボードなら1Uラックに組めそうだったので、いろいろとレイアウトを考えて、電源やらPCIスロットを横に倒すライザーカードなるものを購入して組み上げました。PCIカードを銜える部分の加工が一番大変でした。今のAtomマザーはファンもついていないので、そのうちもう一台。現状のファンだとアコースティックギターの録音で拾ってしまいます。録音だけに特化して、プラグインなどを入れなければ、Atom程度のスペックで十分です。カードはLynxのAES16、こちらも中古をeBayで格安にて購入。軽快に録音できています。製作してから今まで、アトリエのレコーディングからライブレコーディング、「サウダーヂ」のライブシーンなどもこのPCで録音しています。2009年3月制作
ボリューム
メインモニター用スピーカー

このスピーカーは1998年に製作しました。ユニットの構成はウーファーがDynaudioの17W-75というもので、当時で1万8千円という高価なものでした。スコーカーはFostex FE103です。FE103は音が素晴らしい、というのではなくて、ソースの良し悪しが良くわかるユニットなんです。現在はオリジナルからコーン紙などリファインされていますが紙臭さが減って良くなっていると思います。耐入力はないのですがコンデンサーでローを切って密閉に入れればかなりな音量でも飛びません。この頃に自作スピーカーの自分の中の答えが出て、独立キャビネット密閉型、ネットワークは外付け、というものでした。これは位相合わせも楽ですし、ネットワークも聞きながら調整できるので自作向きな構成です。 当初Dynaudioは一発だったのですが、どうしても低音の量感不足だったのでもう一発追加しました。どうしたものかと、直列に繋いだり、並列にして4Ωにしたり、いろいろ試した結果、結局ドロンコーンとして使うことにしました。ドロンコーンというのはただついているだけで、別のウーファーの押し出す空気で怠惰に動いて低音を発する、という変わった仕組みです。これはダクトが共鳴するバスレフより自然な印象を受けました。昔はドロンコーン専用のユニットもあって、重りを仕込んで低音の強調する部分を変える仕組みになっていました。アナログ全盛の時代が懐かしいです。Dynaudioのウーファーに重りを貼り付ける勇気はありません。ウーファーの端子を抵抗でショートさせてダンピングを変える、というのもやりましたが、ノーマルが一番良かったです。右の写真はネットワーク。簡単なフィルターです。ツイーターは80年代に購入したTechnics EAS-10TH800というリーフツイーターで、当時3万以上出して購入したちょっとした宝物です。3.11のとき、私は真っ先にこのスピーカーを下に降ろしました。

アトリエの改造
2009年の春、もう少し良い音で録音できないものか、と思いつくままアトリエの改造を始めました。上の写真は現在のレコーディングルームです。
まずは非常に作りの悪いアルミサッシを取り外して、、と、これがなかなか取れないので破壊。 裏からベニア板にラスを張ってモルタルも塗ってしまう徹底ぶりで塞いでしまいました。 小窓はガラスブロックで少しデザインしてみました。
天井は裏に空間があったので、ここを吸音スペースにしよう、と考え切り取りました。
このカットのためにバッテリー駆動のカッター購入。石膏ボードが厚いので、切り出すと白い粉じんがもうもうと立ち込め、何も見えなくなってしまいます。まるでドリフの爆発シーンですね。大変な思いで切り終わりました。天井裏両サイドの遮音が甘い部分も補強しました。仕上げは天井裏内部にたっぷりと吸音材を入れて、穴あきベニアを張ってみました。これは一応計算してみて、いい感じでこの部屋の定在波を吸ってくれる値に収まっていると思います。
壁にはまず黒い遮音シートを張りました。これがかなり重いわけで、とても上まであげられない。一人で作業するのは無理かと思ったのですが、棚用の支えを取り付けて、そこに置いてみたらうまく上げられたので、ガンタッカーで張り込みました。 下準備をきっちりすれば一人いろいろできるわけです。
全ての壁に石膏ボードを張り込み、目地をパテで埋めて、ローラーで白を塗れば出来上がりです。 音の変化は劇的です。低音のぶよぶよが取れて、音に色気と厚みが出てきました。録音の音の良し悪しは、ミュージシャンの出音、録音機材、いろいろな要因がありますが、「部屋」は別格で影響が出るのだと思いました。 一番効いたのは天井の加工だと思います。